夜、奥に沈むわたしへ。──静けさと快楽に溶けていく時間

夜の静けさに沈む、わたしだけの時間

夜が深まると、わたしはいつも思い出す。
昼間の喧騒、誰かと交わした会話、仕事の緊張、ふとした寂しさ。
でもこの時間だけは、誰にも触れられず、誰にも干渉されない。

照明を落とし、キャンドルを灯す。
カーテンを閉じると、部屋は小さな繭になる。わたしだけの繭。
静けさが降りてくる。目を閉じると、身体の内側に沈んでいく。

触れることは、わたしを取り戻すこと

指を這わせる。胸の上、鎖骨のくぼみ、脇腹。
肌が少しずつ温度を帯び、呼吸が浅くなっていく。

「わたしはここにいる」
そう確認するように、手のひらで太ももを撫でる。
いつもは押し込んでいる感情が、解かれていく。

鏡の中のわたしと目が合う。
少し濡れた瞳と、わずかに開いた唇。
誰かのためではない。これは、わたしがわたしに与える悦び。

孤独と快楽は、とても似ている

愛されたくて震えていたあの頃。
でも、誰かに満たしてもらうだけでは、本当の空白は埋まらなかった。

今のわたしは違う。
わたしの指が、わたしを知っている。
そこにある欲望を、恐れずに見つめる。

静けさの中、ひとりの夜。
ベッドの中で、足をゆっくりと開く。
シーツの擦れる音、指の動き、息遣い。

すべてが、わたしの音。

濡れていく身体と、ほどけていく心

浅く息を吸い、吐く。指先が濡れた感触を伝える。
ぬるりとした自分の湿り気が、こんなにも安心をくれるとは。

感度が研ぎ澄まされ、体温が上がっていく。
まぶたを閉じると、頭の奥で花が咲くようなイメージが広がる。

乳首を指で転がすと、甘く響く。
クリトリスを優しくなぞり、呼吸が漏れる。

わたしは今、わたしを愛している。

高まる波に溺れながら、静かにほどけていく

ゆっくりと、指を中へ。
膣口のあたりをなぞりながら、自分の熱を感じ取る。
1本、2本と指を入れるたび、内側が脈打つように反応する。

奥へ届く振動に、背筋がぞくりと震える。
わたしは誰のためでもなく、ただ「わたし」を満たすために濡れている。

膣の内壁を撫でるたび、小さく声が漏れる。
音にならない吐息が部屋に溶け、空気が甘くなる。

絶頂のあとに訪れる、透明な静けさ

時間をかけて、高まりを迎える。
硬くなったクリトリスを軽く弾くと、震えが腰から広がる。

何度か波が押し寄せ、やがて大きな頂きが訪れる。
指が濡れた音と、途切れた声。
絶頂に達した瞬間、わたしは何も考えられなくなる。

すべてが無音になる。
快楽のあとに訪れる静けさは、孤独ではなく“深い安堵”だ。

誰にも見せない顔を、わたしは知っている

カラダを丸めて横になる。シーツはしっとりと濡れていて、太ももの間はじんわり熱を持っている。

ひとりで満たされた夜は、何よりも深い。
誰かに求められなくても、わたしはわたしを愛していける。

それは、自立なんかではなく“つながり”なのかもしれない。
自分とつながるということ。
性を通して、もっとも原始的な方法で。

心と身体が重なるとき、わたしはわたしになる

愛し方を知らなかったあの頃のわたしに、今のわたしを見せてあげたい。

快楽は、悪いものでも、後ろめたいことでもない。
誰かの目を気にせずに、自分の身体に正直になる。
それが、わたしが生きている証になる。

今夜もまた、キャンドルを灯す。
黒い猫が、ベッドの端からこちらを見ている。
月が、そっと見守ってくれている気がした。



▶ この世界観に浸れる映像作品はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました